ご来場ありがとうございます。
14回朗読カフェ公演 特別公演 歴史的仮名遣いを実践している田中亮一(青二プロ)さんんをお招きして。
歴史的仮名遣いと新仮名遣い何がどう変わったのか?検証する!!
青空文庫にある作品で、新仮名遣い歴史的仮名遣い両方載っている作品がいくつかあります。その中からまず 夏目漱石「子規の画」を私が読み比べてみました。
https://youtu.be/ENvDeku-6wI
新仮名遣い 旧仮名遣い 旧仮名遣い 新仮名遣いの順に四回読んでそのそれぞれの二回目の録音を並べて動画にしてみました。何度も読むといろいろな思念が入るので、極力初見に近い状態でやってみました。
私の感想は まず読みやすいと思いました。言葉の繋がりや句切りが見やすいのでしょうか、新仮名遣いの方は歴史的仮名遣いに比べて緊張を感じました。尺は歴史的仮名遣いの方が長くなりました。
福田恆存氏が「私の國語教室」で、そもそも仮名を表音文字とするのは無理があるといっているように話し言葉の中には、今も歴史的仮名遣いでも表記されない音韻が沢山あるのだと強く思いました。
私自身のしゃべりの音韻と新旧仮名遣いの表記とのずれを感じてその差が緊張の大きさになったのだと思います。
表記上は消えたけれど口語の中には生きている音韻
文字を見て声にするときに、表記通り「正確に」という意識が働きます。特に放送の仕事をしている人はそうした訓練を受けますし、少しでも表記とずれると収録は録り直しになります。
放送の言葉や演劇の言葉に違和感を感じる大きな理由はそのへんにあるのではないかと思っています。
年齢のせい?世代によってその感覚は違うのでしょうか??
芥川龍之介の「杜子春」も、青空文庫に新仮名遣い旧仮名遣い両方掲載されていました。その冒頭部分を朗読カフェのメンバーに読み比べてもらいました。果たして若い人はどうだったのでしょうか?
例外なく(十数人)歴史的仮名遣いの文章の方がなめらかで聞きやすいのです!!
表記上は同じ部分も歴史的仮名遣いで書かれた文の方が聞きやすいのです。
森鴎外 「高瀬舟」
菊池寛「マスク」
斎藤隆介「トキ」理論社 「ベロ出しチョンマ」所収
いしいしんじ
「似顔絵描きのローばあさん」「玩具作りのノルデ爺さん」
(いずれも新潮文庫刊『雪屋のロッスさん』所収)

朗読カフェについて
放送表現の歴史
朗読、声優、ナレーション、アナウンス・・進化したAIの登場によって音声表現者の世界は大きく変わろうとしています。
すでに、文体文脈を無視した人間の音読より、遙かにナチュラルで安心して聞けるようになっています。
今や大きなビジネスとなった音声合成AIは研究がさらに進み、我々実演家も囲碁や将棋の世界のようにAIの音読を参考にする時代が来ていると思います。
放送開始時ラジオの時代
放送に於ける音声表現は放送機材、受信環境の進化と共に変化してきました。初期はマイクや放送環境などが今とは比べものにならないほど貧弱で、受信するラジオも感度が悪い事を想定し、一音一音、音節を明瞭に発音することが求められました。文の繋がりより単語を正確な共通語アクセントではっきりぶつ切りで表現した時代でした。マイクの感度が今とは違うので、張った良い声が必要でした。
放送機材の進化とアクセント辞典の改訂
やがて放送機材の改良と共に表現も文体に添った自然なものになっていきました。
そして、10年近く前にNHKアクセント辞典が改訂されました。単に表記が変わっただけでなく、NHKアクセント辞典での語彙のアクセントの捉え方が根本から変わったのです。語彙の識別は下降の有無だけで、上昇は句の始まりを表す、さらに、話者の意図や態度、感情などがその上昇度に現れる等、川上秦氏の日本語アクセント論集に署された音韻理論が反映されたものとなったのです。
NHKのアナウンスはもちろんのこと、最新のAIの音声合成にもこの音韻理論が導入されていると思います。
旧来の教育を受けてしまった人の悲劇
旧NHKアクセント辞典を丸呑みして2段階アクセントが身についてしまった人、特に地方出身の真面目な人ほど、今苦労しています。共通語は東京方言が元になっているので、東京育ちあるいは東京近郊で過ごした人は、比較的すぐ対応できますが、それ以外の人が、必死に習得したものを変えるのには数倍の時間がかかります。ですが、無理矢理共通語アクセントにしなくてもそれぞれ身についた言葉のアクセントで朗読するのも有効と考えています。
今後の音声表現
書き言葉の音声化に関しては、AIにお任せして、文字言語情報プラス音声でしか伝えられない情報、発話の意図、相手との関係性、態度、反応、感情等の表現を磨いていきたいと思います。
マイクの歴史

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2023-09-16