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朗読兼定将司村山籌子お鼻をかじられたお猫さん
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お鼻をかじられたお猫さん

村山籌子


 あるところに、お猫さんがありました。誰つきあつてくれません。このお猫さんは、大へんきむづかしやで、年中おこつてばかりゐるからです。
 或日、椅子いすに腰かけて新聞をよんでゐましたが、眠くなつて寝こんでしまひました。
 そこへ、この間生れたばかりで、もうチヨコ/\走りまはつてゐるネズミさんがやつてきました。お猫さんがきむづかしやだなんてことは、まだ知りません。お猫さんの椅子いすにはひあがつて、お猫さんのお鼻をかじりかじりました。そこには、あまいおいしいゼリーのかけらがくつついてゐたからです。
青空文庫

Nao